毎月1回発行のライフスタイル提案マガジン「essence」(エス)…暮らしのエッセンスになるような情報をお届けします。

-コラム編-

  ■Cafe in the room − 粋に楽しむ観察と発見■

   

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『老人と海』アーネスト・ミラー・ヘミングウェイ著


アメリカが生んだ文豪、ヘミングウェイの名作『老人と海』
The Old Man and The Seaは、 1人の老漁夫と巨大な
カジキマグロの孤独で壮絶な戦いを描きます。
ヘミングウェイはパリのサンジェルマン・デ・プレのカフェで
創作活動を始めたとか。

くつろぎのひととき、そんな彼の1冊を手にとってみては
いかがでしょうか。




ヨーロッパの街角には、きまって粋なカフェがある。
まるで自分の家のリビングがそこにあるかのように人々はくつろぎ、 時には読みかけの本に、また時には哲学的な議論に没頭する。

日本にも昨今カフェが増えてきたけれど、そんな落ち着いたくつろぎの 雰囲気を醸し出すものは数少ない。

なかには、ゆったりとしたソファを配して、それこそリビングのような ところもあるが、いかんせん数が少なく順番待ち状態だ。

ならば逆転の発想で、我が家にカフェを持ち込むというのはどうだろう。

一人掛けのソファを窓辺に置いて日溜りの読書を楽しんだり、 廊下にチェアを置いて吹きぬける風が運ぶコーヒーの香りに酔ったり、 ダイニングボードに外国で買い集めたカップを並べたり、 サイドテーブルにアンティークショップで見つけた年代物のミルを 飾ってみたり・・・。

“ヨーロッパの街角”とまではいかないけれど、そんな自分流のカフェは、 なんともいえないくつろぎの時間を醸し出すはずだ。

「カフェのことはカフェに聞け」と先人が言ったかどうかは定かでないが、 日頃、足繁く通っているカフェをよく観察して、様々なくつろぎの要素を 発見するのも楽しいではないか。

そう、今度カフェに赴いたら、あなたも“観察と発見”をしてみませんか。思いのほか居心地の良いカフェが、      身近なところにもう一軒できるかもしれません。       

私の観察と発見の成果に彩られた空間では、今日も、昨日の続きの ヘミングウェイと香り豊かなエスプレッソ、やわらかなスタンダードの メロディが待っている。      

(田)

 

■次号vol.2■

ストーリー編 「HOBBY LIFE−少年vs永遠の少年!?」

presented by MAISON de DESSIN